大戦前半に設計されたM3中戦車からは、多数の派生モデルが生まれた。
リーMk2と呼ばれたM3A1は、M3の車体上部が鋳造一体式になっている。その他、主砲右側にハッチが備え付けられた。ロコモーティブ社によって300両が試験生産されたが、そのうち28両がディーゼルエンジン駆動だった。
M3A2はリーMk3と呼ばれ、主に訓練用に用いられた。
M3A3はエンジンが星形9シリンダーガソリンエンジンから直列6シリンダーディーゼルエンジンに換装されている。322両が生産され、そのうち49両がイギリスに輸出された。上部装甲はエンジンを覆うように拡張されており排気設備が増強されるなど、ディーゼルエンジンに合わせた改良が車体に施されている。同モデルは「リー」タイプと「グラント」タイプ両方が生産された。
M3A4はエンジンがクライスラー社製のバス用6シリンダーガソリンエンジンを5基連結したものに置き換わっている。車輪固定部分に大きな溝がみられるのが特徴的である。
その他、後期モデルでは床下ハッチの設置に伴ってドアの一部が取り除かれる、運転手用の固定銃座が廃止されるといった改造がなされていた。また無線手を途中から運転手が兼ねるようになったため、乗員は7名から6名に削減された。