Ⅲ号突撃砲には様々な派生モデルが存在するが、特に著名なのがStuH 42(10.5cm突撃榴弾砲42)と呼ばれる、主砲を10.5cm榴弾砲に換装したタイプである。
このモデルは1941年にトーチカ攻撃に十分な火力を確保するために考案され、既存のⅢ号突撃砲をベースとした上で車体をダイムラー・ベンツ社が、主砲をラインメタル社が開発した。主砲は電気着火式に改造され、マズルブレーキが取り付けられているが、大戦後期には資源の欠乏からマズルブレーキが省略されるようになる。Ⅲ号突撃砲F型の車体を使用した本車は、1942年10月に試作機が完成し、レニングラード戦線に投入された。
StuH 42は歩兵支援、戦車攻撃といった多様な目的の為に使用され、最終的にはアルケット社の工場で1293台が生産された。
1944年から1945年の大戦末期にかけても、少数のⅢ号突撃砲が主砲の撤去及び装甲の部分的強化という過程を経てStuH 42へと換装された。
1944年にはクルップ社によってⅢ号突撃砲及び4号突撃砲の主砲を8.8cm砲に換装したタイプが設計されたが、終戦までに製造されることはなかった。