Ⅲ号突撃砲は、第二次世界大戦中においてドイツで最も多く生産された装甲戦闘車両である。本車は主力戦車であるⅢ号戦車の車体を流用しており、Ⅳ号戦車の車体を流用したタイプと区別するためにこの名称で呼ばれている。流用元の戦車と比較すると主砲が強力な固定砲台に取り換えられている。
ティーゲルなどの中戦車と比べて性能面で格段に優れていたわけではないⅢ号突撃砲であったが、機銃と主砲の火力は連合国に多大な損害を強いるだけの性能を誇っていた。更に、車高が低いという特性上敵の砲火に晒される危険性が他の戦車よりも低いという利点も備えていた。
当初は高い機動力と十分な火力を備え、歩兵と共に進軍して砲撃を浴びせる対歩兵用兵器として設計されていたが、改良が重ねられるうちに戦車への対応力が強化され、やがては対戦車砲を備えた駆逐戦車であるヘッツァーへと発展していくこととなる。
本戦車は高いコストパフォーマンスを誇り非常に大量に生産されたために、フィンランド、イタリア、ブルガリア、ルーマニアといった他の枢軸国にも配備され、様々な戦線で活用された。更にはソ連によって鹵獲されたものの一部を同盟国に寄贈している。
本モデルは日本のアニメ『ガールズ&パンツァー』に出演している他、『War Thunder』を初めとする多数の戦争シミュレーションゲームで取り上げられている。