フィンランドで最大の収蔵数を誇る戦車博物館であるパロラ戦車博物館には、フィンランド軍によって運用されたⅢ号突撃砲が保存されている。この個体は1944年の実戦時と同様のダークイエローに塗装されている。フィンランドに供与された個体はカモフラージュ性を高めるために木材を張り付けて運用されることはあったが、基本的にはドイツ軍のものとほぼ同様の外見であった。ナチスドイツの象徴である鉤十字のマークさえも、木材の裏に隠れる形でそのまま残されている。フィンランド軍での使用が終了した1966年以降、その他のⅢ号突撃砲は分解されて不時着の衝撃緩衝材として各方面の離着陸場の周囲に設置されている。
フィンランド以外にも、ドイツのミュンスター戦車博物館やイギリスのボービントン戦車博物館において、遺棄されたⅢ号突撃砲が修復され保存されている。更に、第三次中東戦争でシリア軍がゴラン高原のトーチカとして用いた車両の一部はイスラエル軍によって鹵獲されたが、その後はテルアビブ南東部に位置するラトルン戦車博物館に展示されている。