現場からの多くのフィードバックを元に、ヘッツァーは初期設計から様々な改良を施された。そのため、初期モデルと大戦末期のモデルの設計図を比較すると、両者には多くの相違点があることが見て取れる。
戦場の悪路に対応するためにマフラーのフレイムアレスターに付けられた排気筒はより鉛直になり、倒木を避けるためにサイドスポイラーは内向きに修正された。また給油口・給気口にも手が加えられた。特に後者の改良により、エンジン部分に落葉が侵入することが防がれ、機関及び冷却器が保護されるようになった。燃料ポンプは電動式から機械式に変更され、リーフスプリングは補強された。車内の熱循環機構が改善され、冬季に機関部の熱が操縦室に還元されるようになる、天井に握り手が付けられて座席からの離脱が容易になる、司令官用の照準器が強化される、などといった乗員に配慮した修正も多数なされた。弾薬庫は容量が増やされている。タイヤは耐久性を高めるためリベットを用いたボルトによって固定されるようになり、更に後の段階には溶接されるようになった。その他、運転系統にも種々の改良がおこなわれている。